スキーのオフトレでインラインスケートを始めようと思っている方へ
本記事ではこのような疑問について書いています。
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インラインスケートでスキーが上手くなる理由
スキーのオフトレにはインラインスケートが非常に効果的であると思います。
何故かというと、スキーに必要な前後のバランスを習得する事ができるからです。
スキーの上達に必要な前後のバランスとは?
スキーでターンをする場合、例え斜度が均一な斜面であったとしても実際に滑っているところの斜度は変化し続けます。
どういう事かと言いますと、例えば仮に斜度30度の斜面があったとします。
ターンの切替時、スキーは斜面に対して真横に近い角度で進んでいきます。斜度が30度の斜面でもスキーが真横に進めば実際に滑っているところの斜度は0度ですよね。
切替からターン前半、だんだんスキーが下を向いて行き、実際に滑っているところの斜度は急になっていきます。
スキーがフォールラインに向いた瞬間、実際に滑っているところの斜度は30度になり、ここが一番急です。
フォールラインを過ぎてターン後半になるとまた徐々に斜度が緩くなっていき、切替のところが一番緩い斜面となります。
スキーにはこのように実際に滑っているところの斜度の変化が常にある事で、スキーが加速と減速を交互に繰り返します。
ターン中にスキーが最も加速をするところが前半であり、減速するところが後半です。
ターンの前半は最もスキーが加速する局面なので重心は前、ターンの前半ではスキーが減速する局面なので重心は後ろというポジションを取る必要があります。
スキーはターンの連続ですので、この前後のバランスを一瞬一瞬取り続ける必要があり、そしてそのバランスを取る為のポジションは常に変わり続けます。
ターン中のポジション(重心の位置)は常に変わり続けるものであって、ポジションは一定ではありません。重心を前に持って行ったり後ろに持って行ったりします。これがスキーに必要な前後バランスです。
大回りでも小回りでもコブ斜面を滑るのであっても同じです。
私がスキーを始めた頃はカービングスキーが世に出てくる前でしたが、先生に「ターン前半は母指球でとらえて、後半に向かってかかとで滑らせろ。」とよく教えてもらってました。
カービングスキーになって新しい技術が出たりもしましたが、前後の運動については今も昔も変わりません。
加速する時には慣性力が後ろ方向に働くから重心は前、減速する時には慣性力が前方向に働くから重心は後ろ、物理の原理原則ですから技術を変えようがないのです。
逆に初心者、中級者でよくある欠点で、この前後運動を知らない為にポジションを固定してしまう事があります。ポジションは常に変化すると認識を改める事が必要です。
インラインスケートを練習すれば前後バランスが身に付く
このスキーの上達に必要な前後バランスを習得するのに、インラインスケートはとても効果的です。インラインでの練習方法は以下の通り。
練習方法
・ヘルメットやプロテクター、手袋等の防具を着用する
・ストックは持って行う
・インラインスケートをはいて、あくまでもスキーを滑っているような要領で緩い斜面を滑る
スキーで前や後ろ方向に転倒する事は滅多にありません。インラインスケートの場合はスキーの様に前後の支えがありませんので、ちょっと前後のバランスが崩れただけでも転んでしまいます。
斜面を滑れるようになるとスキーに必要な前後のバランス感覚が身に付きます。
注意点としては、あくまでもスキーを滑っている事を想定して練習することです。
前後差を付けない、腰を回す、肩・腰は斜面に合わせるなど、スキーをやっている時に気を付けている事をそのままインラインでも行います。
急な斜面じゃなくても良いので、緩い斜面で滑る事ができるようになってくると、ターン前半は母指球、後半はかかとというような足裏感覚が身に付くはずです。
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インラインスケートの練習に必要な道具
インラインスケートに必要な道具
・インラインスケート
・ヘルメット
・プロテクター
・ストックと石突ゴム
インラインスケート
上の画像、右がローラーブレード社のもの。左は以前使っていたウルトラホイール社のもの。ウルトラホイール社は現在は存在しません。
どのこメーカーのものでも良いと思いますが、個人的にはスキーの練習である事を想定して、ハードブーツっぽいのが良いと思います。
ヘルメット
ヘルメットは普段スキーで使っているものでも良いですが、夏場の暑さを考慮してインライン専用のものを買っても良いと思います。スキーのヘルメットに比べると値段も安いものが多いです。
プロテクター
肘、膝と、あと手首を守るものがあって、三点セットで売られています。初心者の内はよく転びますのでこれがないと簡単に怪我をします。
私の経験上、膝を打った事はないのですが、転んだ時に必ず手のひらをアスファルトに着きます。プロテクターがなければ手首を折るような転び方を何度もしていますが、リストガードには何度も助けられています。
手のひらの部分が硬いプラスチックになっていて、転んで手のひらを突いてもダメージがないようになっています。
ストックと石突ゴム
ストックはスキーで使っているものをそのまま使えば良いですが、先端にゴムをはめましょう。石突ゴムといってネットでも売られています。
これがないとインラインをやっているうちにストックの先端が削れてだんだん尖ってきます。終いにはキリぐらいのレベルにまで先端が鋭くなりますので、それでスキーに行くとかなり危ないです。
まとめ
記事のポイントをまとめます。
- スキーの上達にはポジションが大事である。
- ターン中、適切なポジションは常に変化し続ける。
- ターンの前半にはポジションは前、ターンの後半にはポジションが後ろになければならない。
- 前後のバランス感覚を養うにはインラインスケートがとても役に立つ。
- インラインスケートでスキーを想定して緩斜面で練習すると良い。
- インラインで足裏の荷重ポイントを感覚でつかむ練習になる。前半は母指球⇒後半はかかとへ荷重ポイントが移動する。
- 必要な道具について
私の息子が大学に進学し、基礎スキーのサークルに入りました。高校まではファミリースキーで年1〜2回、ターンはボーゲンではないものの、限りなくシュテムに近いパラレルで、関節の曲げ伸ばしもなく、ターンと言うよりもただ降りてくるだけ、みたいな感じでした。
夏場にインラインで相当練習したと聞いていましたが、シーズンインした時の動画を見た時にびっくりしました。いきなり上手くなってましたw
ちゃんとパラレルターンになっていて、足首、膝、股関節がターンに合わせて上手に曲げ伸ばしが出来ていました。スキーは雪上じゃなく、陸上で上手くなるというのは本当のことだと改めて思いました。
スキーを想定してインラインを練習すると上達する事は確かです。